18.職人とアーティスト


とりあえず基本的な技術は身につけて、
だいぶ上手くなったあなたをみんなが褒めてくれます。
ちょっとうれしい気分です。

しかし・・・決して、そこに「感動」は生まれません、
「鏡」に感動は映りません。
 

クラシック音楽は楽譜通りに完璧に演奏して初めて当たり前と言われます。
しかし、同じ楽譜で同じ曲を演奏しているのに大変な感動を生み出す人も居るんです。
いったい、この違いはなんでしょうか?

実は、ただ上手くやるのと心から楽しみ喜んでやるのとでは、
ものすごい差が生まれるんです。
すなわち、本当に自分に合っている事をやっている人は感動を生み出せるのです。
それが自然に「鏡」に映ってるんです。

もう、お解かりでしょう。
妖怪「お上手さん」に取り憑かれたら上手な人で終わりです。
そこまでです、お店の経営にしたって踊りだって歌だってなんだって全部同じ。

感動を生み出せない人はただの上手な人止まりなんです。
まあ、それでも充分ですけどね、生きて行くには。

それはいくら上手でも自分に合っていないのかもしれません。
自分が心から楽しめていないのかもしれません。

無理してやってたり、無理して作った自分なのかもしれません。
もう、上手くやるだけで、いっぱいいっぱい・・・
それってどこかに悲壮感があるんです。

それはあなたが苦労して努力してたどり着いた場所なんです。
ちっとも自然じゃない、見てて楽しくも何ともない。
それは、つまらないただの「お上手」な人でしかないのです。

レストランでとても上手くピアノを弾いている人がいます。
気持ちよく音楽が流れて、美味しい食事が出来ます。
それはそれで素晴らしい・・・しかしその音楽に感動はありません。

もし、そこで感動を生むようなら、いつかスターになれる方かもしれません。
しかし、誰もが知っている音楽を上手に演奏しているのが普通です。


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では、同じ曲をコンサートで弾いて多くの人を感動させる人は、どこが違うのでしょうか?

もうお解かりですね、上手だけじゃないんです。
弾いてる本人が感動してるんです、心から楽しんでいるんです。

これを自然にそのままの自分でやれる人なんです。
もう上手とか下手とか、そんな事には捕らわれない境地に入ってるんです。

ただのお上手さんは「職人」になった方が幸せです。
職人と言うのは「自分を出さない」事が重要なんです。

アーティストと職人の違いはそこにあります。
合ってるかはどちらでもいいのです、上手ければいいんです。

だから、職人が合ってる人には「お上手さん」は取り憑きません。
だって「お上手」でいいんですから、困らないんです。

妖怪は困らすのが楽しいんです、困らない人は「美味しくない」んです。
妖怪は困らせて喜びたいわけです。

職人仕事をやってて楽しい人はそれが合ってるんです。
それでどんどん人を喜ばせて人をしあわせにして行けばいいんです。
それもまた、ひとつのプロの道です。

ただし、職人さんはそれが自分に合っていようが、いまいが関係ないんです。
もちろん合っている人も居ますが、そんな事考えた事もない人も多いんです。

伝統的な職人仕事の何代目後継者とか言う方はそういう人が多いです。
小さい時から叩き込まれたとか、いつも身近にあったとか、
自分探しの末にたどり着いた仕事ではない場合も多いのです。

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ただし、その技術と腕前で、感動を生み出している方も沢山います。
それは「お上手」の域とはまるで違う、人間離れした技や忍耐であったりします。
また、オリジナルなアート感覚を職人技に持ち込んだ芸術家の方も居られますから
一概に職人とアーティストは違うとも、言い切れませんが、どちらにしても
そういう方には「お上手さん」は取り憑きませんから安心して下さい。

これはあくまでも玄人はだしの「素人」さんのお話ですから。


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