自分を知る。



中村天風氏の深い文章です、じっくりと味わってほしい・・・・




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恐怖観念、詳しくいえば、病はもちろん、人事世事一切の出来事に対して、物を怖れるという気持ちくらい、価値のない結果を人生にもたらすものはない。ところが、今までのあなた方は、ちよっとでも体が悪いと、すぐおののき、怖れている。
 

わずかな運命に見舞われても、それが、とてもどえらい運命になってしまうように怖れてしまう。毎日の人生一切の出来事に対して、この恐怖観念で応接しているという場合が多い。このくらい、人生というものを哀れな状態にするものはない。なぜかというと、恐怖すればするほど、価値のない結果が人生にくるからである。
 

何度も言っているとおり、宇宙霊という生ける大きな生命は、常に我々人間の心で思ったり、考えたりする事柄の中で、特に観念が集中し、深刻な状態の時に、その観念が、その事柄に注がれると、咄嗟にそれを現実の「すがた」に表現しようとする自然作用があるのである。
 

そこで考えてみよう。
 

一生忘れないような深刻な記憶に出来るくらいに、瞬間的でも、観念が集中されたとすると、それが宇宙霊の力を受け入れる「鋳型」が用意されたことになる。そのとき出来上がっている「鋳型」というものが、良かろうと、悪かろうと、極めて確実な「すがた」が出来上がったことになる。そうすると、その恐怖している事柄が、やがて事実となって現実化してくる。否、むしろ、そうなることが当然である。

 

中村天風語録集『運命を拓く』より



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天風氏が言うように、観念と言うある意味「無意識」に発露している部分が人生を決めている、と言っていい、この「無意識」のうちに抱く観念とは自分自身をコントロール出来ていない、と言う証拠でもある、意識的にポジティブを気取ってみても、実は無意識の中にネガティブな観念が巣くっていれば現実はその観念の方に従うのだ。
 

「頑張ろう!」と言う無理矢理な発信は「うまく行かないかもしれない」と言うネガティブから生まれて来る、答えは簡単だ、頑張らなきゃうまく行かない事は元々、うまく行かない事なのである。

 
だから、頑張るのを止めて「普通」でいればいいのだが、そうすると「不安」がどんどん湧いてくる、「こんなにのんびりしてていいのか?」と自分を信用出来なくなってくる、そしてまた「頑張ろう!」と無理矢理なポジティブを作り出して自分を安心させようとする。

 
この繰り返しが人生をどんどん辛くして行く、そして麻薬のように「頑張ろう!」が通常の状態になって来ると病気や精神的なダメージがどんどん進行する事になるのだ。
 

人にとって一番難しいのは「何もしない事」だと言う、まったくその通りで「何もしない」で居るほど人を不安にさせる事は無いのだ、「ああ、働きたくない・・」「遊んでいたい」と誰でも思う、しかしそれを実現する人は非常に少ない・・なぜか? 働かないで居る事、四六時中遊んで居る事・・・なんて人は不安でしょうがないのだ、何かを「頑張ってる」自分でないと不安なのだ。
 

こうして人はわざわざ幸福から遠ざかる、別に何もしなくてもいいのに、わざわざ自分を追い込んで「頑張る」のだ。
 

体調が悪いとか、不安でしょうが無いとか・・だから「癒やし」に走るのも同じ症状だ、「癒やされたい」は「苦しんでいる」と言う観念が生み出していると言う事に気づかない、今の自分に不安だから「癒やされたい」のである、まさか自分の観念が自分を苦しめているとは思っていないのだ。
 

「自分を知る」とはどういう事か・・・・この天風氏の言葉の裏にはその大きなヒントが隠されている、じっくりと噛みしめて欲しい。



 
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